目まぐるしく状況が変わるフードデリバリー業界。
いったい2022年はどうなっていくのでしょうか?
2019年からずっとこの業界を観察してきた私が、今年のフードデリバリー業界の注目ポイントをまとめます。
この記事でわかること
- フードデリバリー業界の現状は?
- 既にフードデリバリーに起こりつつある変化とは?
- ウーバーイーツの牙城を崩すサービスは?
目次
フードデリバリー業界の現状は?
フードデリバリー業界は2016年のウーバーイーツ日本サービス開始から四年経った2020年から、様々な会社がサービスを始めました。
群雄割拠の「フードデリバリー戦国時代」となり、各社が注文者向け割引キャンペーンや配達員向けボーナス強化を行って激しいシェア争いが繰り広げられています。
ちょうどこの時期が新型コロナウイルスが広がった時期と重なり、自宅待機によるデリバリー特需を追い風にしてこの業界はわずか二年で利用者数を4倍に増やしました。
ABEMA TIMES より
デリバリー各社のシェア争いも激しさを増していく
Uber Eats、出前館以外にもmenu、foodpanda、DiDifood、Woltといった様々なサービスが国内外から参戦し、競争が激しくなってきました。
2021年8月時点のアプリユーザー数
ウーバーイーツと出前館の二強状態となり、その他のサービスは認知度・利用者数共に大きく差を付けられている状況です。
そんな中、出前館は800億円の資金調達を行って、2021年11月より一年間で500億円の赤字になることを前提とした超特大キャンペーンを実施。打倒ウーバーに全力を挙げています。
その結果、最新の2021年11月のアプリ利用者数では出前館が初めてウーバーイーツを(ほんの少しだけ)抜きました!
2021年11月時点のアプリユーザー数
3位以下のグループは伸び悩み、二強状態がより鮮明になってきています。
そんな中、5位のfoodpandaは日本撤退、6位のWoltはDoorDashに買収されるなど、業界再編・統合の動きも少しずつ出てきました。
果たしてこの二強状態はこのまま維持されていくのでしょうか?
今までの歴史はこちら!
日本フードデリバリーの歴史をまとめた記事はこちらです!
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【フードデリバリー戦国時代】激戦の歴史を時系列でまとめてみた!
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フードデリバリー業界に起きつつある変化とは?
直近の数ヶ月で私が感じている変化は大きく二点です。
直近の変化
- 利益確保のステージに少しずつ入り始めている
- 料理以外の日用品即配の動きが加速している
利益確保の動きが始まっている?
2021年11月からウーバーイーツは配達員報酬を低めに設定することが増え、現状の最低報酬金額である300円に調整されることが多くなってきました。
配達員からの不満を受けてか12月に最新の報酬改定を実施。
「ウーバーイーツ新報酬体系」がスタートしましたが、蓋を開けてみると結局300円になる頻度はほとんど変わらず、Uber Eats (ウーバーイーツ)が「これくらいの報酬で配達してほしい」という方針が伝わってきました。
ウーバーイーツだけではありません。
他の各サービスにおいても「配達員向けのインセンティブ」「友人紹介キャンペーン」「注文者向けのクーポン」などの各種販促の金額が少なくなったり条件が厳しくなったりすることが増えてきました。
サービス開始時限定の赤字覚悟の大盤振る舞いの時期はそろそろ終わりを告げ、会社としてきちんと利益を上げられるサービスにしていく時期に入り始めたのかもしれません。
配達員の紹介キャンペーンも縮小傾向にあります。まだ登録していないサービスがあったら登録しておきましょう!
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料理以外の日用品即配の動きが加速している
レストランの料理を運ぶだけでなく、同じ配達員を利用してシャンプーや文房具などの日用品をクイックデリバリーする動きが加速しています。
加盟店から運ばず、「ダークストア」と呼ばれる店頭販売をしない自社運営の倉庫から直接運ぶことで速さと利益を確保する仕組みです。
まだまだ都心部でしか利用できないサービスも多いですが、2021年の一年間で各社急激に日用品のクイックコマースを拡大しています。
海外では既に浸透しているサービスなので、それだけ需要と利益が見込める分野なのでしょう。
日本で今後どう受け入れられていくかに注目です。
また、この日用品即配の分野では一歩先行していたフードパンダが1月31日でサービスを終了します。
menuやDiDiフードなど、この分野に未参戦のサービスがパンダマートのサービスを吸収するようなことがあると、またこの業界は面白くなっていきそうです。
ウーバーイーツの牙城を崩すサービスは?
※2022年1月時点の各社サービスエリア。カイト調べ
フードデリバリー戦国時代元年の2020年から数えて、今年は3年目に入ります。
結論から言うと、ウーバーイーツと出前館の二強状態を崩すのは難しいと感じています。
今一番の見所は「出前館がウーバーイーツを倒して業界の覇権を握れるかどうか」です。
3位以下の他サービスは規模や注文数で競うことはせず、前述した日用品即配やDiDiFoodの買い物代行など、注文者のかゆいところに手が届く独自のサービスを行って利益確保をしていく流れになっていくのではないでしょうか?
各サービスごとに、今気になっているところをまとめます。
Uber Eats
認知度・利用者数共に安定している、現在日本一のデリバリーサービス。
寒くて配達員が減り注文数が増えるこの時期に配達員報酬を減らしてもサービスが回っているのは、それだけ固定ユーザーが定着していると言うことでしょう。
ただ、他サービス(主に出前館)の高額報酬により相当数の配達員が流出しているのも事実。
エリアや時間帯によっては配達員がいなくて注文できない(いわゆるブラックアウト)状況になることも散見されていますので、今後この状況が悪化するようであれば状況は変わるかもしれません。
出前館
LINEからの300億円に続き、ZHDなどからの800億円を手に入れて怒涛の攻勢をかけている出前館。
11月の利用者数で一時的にでも首位を取れたのは、多額の広告費をかけた成果が出ているとも言えます。
しかし、裏を返せばあれだけの広告費を使っておきながらウーバーイーツに並ぶしかできていないと言うこと。
この広告費を数年間維持できるわけはありません。キャンペーンが終わった後にユーザーがウーバーイーツに戻っていってしまわないように、利用してくれたユーザーをリピーターに固定する戦略が必要ですが、まだまだそこが甘いように感じます。
2022年3月あたりでシステムの大幅アップデートが予定されているとの情報もあります。今後の改善に期待です。
規模では第3位のmenu。47都道府県進出も2021年に果たしました。
ワンピースとのコラボキャンペーンは奏功しましたが、まだまだ二強サービスとは大きく差をつけられています。
個人的には使いやすいサービスだと思いますが、独自性がユーザーに伝わりきっておらず「ウーバーではなくてmenuを使いたい」と思わせるものが不足しているのかもしれません。
最近は親会社がゲーム会社であることを生かしてモンストなどのゲームコラボを多く行っています。そういったエンタメ性がもっと知られていくといいですね。
DiDi Food
アプリ利用者数だけでいうと現在第4位のディディフードですが、唯一首都圏に進出していないサービスであり、首都圏抜きでこの利用者数はあなどれません。
とにかくお得で注文しやすいと評判のサービス。固定客が多くついているのでしょう。
2022年には東京や横浜などの首都圏に進出してくるでしょうから、そこで上手く利用者数を伸ばせれば規模ではmenuを抜いて第3位になるかもしれません。
2022年に一番伸び代があるのはDiDiフードだと思っています。注目です。
※5月にサービスを終了し日本から撤退します
Wolt
日本人好みのきめ細かいサポートが自慢のWolt。
2021年夏頃にテレビCMなどの大規模告知をしましたが、秋以降は少しおとなしく新規エリア展開も控えめで、拡大路線から離れたようにも見えます。
ドアダッシュに買収されましたが日本はWoltブランドで行くとのことなので、今後ドアダッシュの資金力も使って告知を増やし認知度を上げていけるでしょうか。
サービスデザイン自体は素晴らしいのですが、注文数も配達員数もまだまだ足りておらずうまく回っていない印象を受けます。
認知度さえ上がって多くの人に使われるようになれば、一番浸透していきそうなサービスです。
foodpanda
2022年1月31日にサービスを終了することを発表しましたが、ただ撤退するのか、他サービスに買収されて一部サービスや配達員が引き継がれるのか、まだわかりません。
前述したように日用品即配サービスのパンダマートは他サービスより先行しており利用者からも好評だったため、この部分だけでも他サービスが吸収できればおもしろくなっていきそうです。
DoorDash
アメリカでウーバーイーツを抑えてシェア一位のドアダッシュ。
Woltを買収したことで、日本でのサービスはWoltに任せてドアダッシュは日本から撤退するとみています(未発表)。
アメリカで後発ながら先行するウーバーイーツを倒して業界一位になった手腕をWoltに伝授するのであれば、二強状態も覆る可能性がありそうです。
まとめ ますます熱くなる2022年のフーデリ業界に注目しよう!
いかがでしたでしょうか?
フードデリバリーの各サービスは2022年に入って少しずつ淘汰されていくのでしょうか。
日本のフードデリバリー業界は今まさに凄まじいスピードで状況が変化しています。
一体今後がどうなるのか、全く予測できません。
今一番熱い日本のフードデリバリー戦争を、これからも一緒に最前線で観戦しましょう。
今後も最新情報を発信し続けていきます。
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