私がフードデリバリー業界と関わって5年目に入りました。
どんどん激しさを増していくフードデリバリー業界。状況が目まぐるしく変わって、ずっと見ている私でもついていくのが大変です。
そこで今回、今までのフードデリバリー業界の歴史を振り返り、重大な出来事に絞って時系列でまとめていくことにしました。
足りない情報があれば、Twitterやこの記事のコメント欄で指摘いただければガンガン追記していきます!
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目次
- 2016年
- 2017年
- 2019年
- 2020年 フーデリ戦国時代元年!
- 2021年 ますます激しくなる群雄割拠の時代!
- 1月 DoorDash(ドアダッシュ)日本上陸の第一報
- 2月 XTABLE(クロステーブル)サービス開始
- 2月 menu 急に本気を出す
- 3月 ウーバーイーツ新料金 福岡・京都でスタート
- 3月 JaFDA(日本フードデリバリーサービス協会)設立
- 4月 出前館 お給料ポンポンポーン
- 4月 ウーバーイーツ 新料金 神奈川・沖縄に拡大
- 4月 menu全国進出、国民的アニメコラボ
- 4月 フードネコサービス終了
- 4月 フードパンダ 東京進出
- 5月 ウーバーイーツ新料金体系 全国へ
- 5月 menu本部長にインタビュー
- 5月 フードパンダ 第一回ライダーコネクト実施
- 6月 ウーバーイーツ 代表が書類送検
- 6月 Doordash(ドアダッシュ)サービス開始
- 6月 ウーバーイーツ 徒歩配達開始
- 7月 Wolt(ウォルト)が本気を出す
- 7月 国税局、ウーバーイーツ配達員に納税調査
- 8月 menu ドロップ先がわかるように
- 8月 出前館 ブースト倍率がピークに
- 8月 出前館、セブンイレブンと提携
- 9月 配達員も労災に加入できるように
- 9月 Uber Eats (ウーバーイーツ)全47都道府県に進出
- 9月 出前館が本気の資金調達 800億
- 11月 出前館が再び本気を出す
- 11月 DoordashがWoltを買収!
- 12月 ウーバーイーツマーケットスタート
- 12月 Uber Eats 配達報酬改定
- 12月 フードパンダ日本撤退を発表
- 2022年 ついに始まった再編・統合!激動の一年!
- 2023年 バブルは終了?各サービスが収益確保フェーズへ
- 最後にまとめ
今の最新状況一覧記事はこちら!
2016年
9月 Uber Eats (ウーバーイーツ)サービス開始
日本フードデリバリーの代名詞であるウーバーイーツは2016年にスタート。
ここからシェアリングエコノミーの考え方が少しずつ日本に広がっていきます。
2017年
7月 honestbee(オネストビー)が本格サービス開始
ウーバーイーツの対抗馬として最初に現れたのは、シンガポール生まれのサービス、オネストビー。
配達員たちは「Delivery Bee(働き蜂)」と称され、ウーバーイーツとともに日本フードデリバリーギグワークの草分け的存在でした。
ウーバーイーツとバッチバチにやりあっていたことは、当時の配達報酬広告を見るとよくわかります。
当時はまだウーバーイーツが配達報酬から35%の手数料を引いていた時代。
大体1配達800円〜1000円ほど稼げていたようです。(時給保証もあったような。。。)
2019年
2月 私が配達員を始める
当時のウーバーイーツバッグは8000円のデポジットがかかり、まずバッグ代を稼ぐまでにかなり大変だったのを覚えています。
まだまだウーバーイーツは一般的には認知されておらず、テレビなどで取り上げられることも少なかったですね。
5月 honestbee(オネストビー)サービス終了
オネストビーはウーバーイーツとの戦いに敗れ、わずか二年で撤退。
本格的なフードデリバリー戦国時代が始まる前にその姿を消しました。
私はやっとウーバーイーツに慣れてきて、「オネストビーっていう稼げるサービスが他にあるらしい」という噂を聞いた矢先のサービス終了でした。登録してバッグを貰っておきたかったです。
7月 ウーバーイーツ コークオンと提携し毎日一本ドリンク配布
コカコーラ社のCokeOn(コークオン)アプリと連携し、「一日一回配達するとコークオン自販機でドリンクが買えるドリンクチケット」が毎日全員に配布されました。
11月 ウーバーイーツ 報酬改定
「手数料を35%→10%に下げる代わりに基本報酬額を減らす」という増えたのか減ったのかよく分からない改定でしたが、全体的には1割ちょっとくらい報酬は下がりました。
競合がいなくなったのでやりたい放題やり始めたのでしょうか。
2020年 フーデリ戦国時代元年!
2月 Chompy(チョンピー)サービス開始
国産サービスチョンピーが一足早くサービス開始。
配達員登録欄にウーバーイーツの配達回数を入力する欄があり、ベテラン配達員にはボーナスを出して優先的に採用する形式を取っていました。
当時では画期的な時給保証(確か時給2000円くらいでした)があったため配達員が殺到。私が申し込もうと思ったときにはすでに募集は締め切られていました。
3月 Wolt(ウォルト)サービス開始
フィンランド発のサービス、ウォルトは広島でサービスを開始。
この後Woltは札幌、仙台と進出し、地方都市から攻めていく独自の戦略を取りました。
テイクアウトで加盟店を増やし続けていたmenuは、4月に東京・四谷からデリバリーサービスを開始。
「30回配達をすると紹介したひと・されたひとどちらも25000円ずつもらえる」という高額紹介キャンペーンが配達員の中で話題となりました。
ちょうど日本で初めての緊急事態宣言が出たタイミング。巣ごもり需要でデリバリーが一気に注目されました。
「ウーバーイーツで月収100万円」の人の記事が5月にバズりにバズって、この辺りから急激にウーバーイーツ配達員という働き方が一般的に認知され始め、テレビでの露出が増え、配達員の数が急増していきました。
5月 出前館 業務委託配達員募集開始
今まで直雇用の時給アルバイト配達員のみだった出前館が、ウーバーイーツと同じ形態の業務委託配達員を募集開始。
「配達距離にかかわらず固定報酬715円」という前例のない報酬体系と、「流れてくる複数の配達オファーの中から配達員が選んで取る」という新しいシステムが画期的でした。
6月 DiDifood(ディディフード)サービス開始
中国の配車サービス、ディディフードが日本上陸。大阪からサービスを始めました。
大阪で半年間しっかり地盤固めをしてから、この後2021年から福岡・神戸・広島と進出していき、首都圏を避けて拡大を進めていきます。
9月 foodpanda(フードパンダ)サービス開始
ドイツ資本、デリバリーヒーロー傘下のフードパンダが日本上陸。
横浜・神戸・福岡からサービスを開始しました。
超高額の配達報酬と時給保証制度により一躍人気となりますが、その後相次ぐシステムエラーやひどいサポート対応などにより、急激に評判が悪くなっていってしまいます。
ピックドロップ固定報酬260円+ピックドロップ合計距離の二乗×20円という距離の乗算計算を日本で初めて導入。
これによりmenuは日本で初めて「ロング配達が喜ばれるサービス」となりました。
11月 Uber Eats (ウーバーイーツ) 自転車配達の距離上限が伸びる
自転車配達員に振られる配達リクエストの距離が、長いもので4kmを超えてくるようになりました。
11月 出前館 急に本気を出す
LINEから出資を受けた出前館が急に本気を出し、「注文者への75%オフクーポン」と「配達員への全エリア常時ブースト」が恒常的に出るようになりました。
これにより、首都圏土日の配達報酬は距離にかかわらず1001円となり、高額報酬で頭ひとつ抜けていたフードパンダをかわして全サービス一位の報酬額となります。(しかし次の月にフードネコにまたすぐ抜かれます)
ここから配達報酬の過熱競争が始まっていきました。
12月 FOODNEKO(フードネコ)サービス開始
韓国一位のデリバリーサービス、フードネコが都心部でサービス開始。
もともと配達報酬は高額でしたが、その後さらに高額となり、全配達1200円均一+シフトをとると時給保証1000円が加算され、一時間に2回配達すると時給3400円稼げるという驚異の報酬体系に。
その噂が配達員に広まったときには登録会は順番待ちでなかなか登録できない状態になっていました。
注文者向けへのキャンペーンも秀逸で、マスコットキャラクターも非常に人気がありました。
フードネコについて詳しく知りたい方はこちら。
2021年 ますます激しくなる群雄割拠の時代!
1月 DoorDash(ドアダッシュ)日本上陸の第一報
アメリカでウーバーイーツを凌いでシェア一位のドアダッシュが2021年に日本上陸するという情報が入って業界が「黒船襲来か!」とどよめきました。
ちなみに情報元はChompyのCEO、大見さんでした。プラットフォームの中の人たちはやはり繋がってるんですね。
2月 XTABLE(クロステーブル)サービス開始
セブンイレブンの物流を担う老舗会社が手がける国産サービス、クロステーブルが実証実験という形で都心部にてサービス開始。
各社の配達報酬がどんどん上がっていたタイミングでしたのでその報酬額が注目されましたが、基本報酬額は低く、ブーストで補う形でした。
2020年後半は大きな盛り上がりのなかったmenuが年末年始の「21億円キャンペーン」を皮切りに大物Youtuberとの大型コラボ「ウチメシしようぜキャンペーン」を開始し、さらに「3月までに47都道府県全てに進出する」と発表。
新エリアには常時1000円ブーストがつけられ、配達員の中で話題に。
この辺りからmenuは一気に認知度が上がり、ウーバーイーツと掛け持ち稼働をする人が増えました。
3月 ウーバーイーツ新料金 福岡・京都でスタート
ウーバーイーツの新報酬体系が先行して福岡・京都でスタート。
開始当初はアプリのバグも重なって「1配達120円」などの報酬が発生し、ツイッターの配達員界隈は大混乱に陥りました。
「配達リクエスト時にドロップ先までわかる」ようになり稼働しやすくなりましたが、配達報酬は「単純な距離だけでなく需給バランスによってリアルタイムに報酬が変動するダイナミックプライシング方式」となり、全体的な報酬は平均して3割近く下がりました。
3月 JaFDA(日本フードデリバリーサービス協会)設立
日本でのフードデリバリーの拡大を受けて、ほぼ全てのデリバリープラットフォームが参加する「日本フードデリバリーサービス協会」が設立。
フードデリバリー業界の問題について協力して対応できる環境が整えられていきます。
2021年4月時点のアプリユーザー数
フード&ドリンク関連アプリのランキング 「eMark+」より
4月 出前館 お給料ポンポンポーン
出前館がお笑い芸人とコラボして配達員募集CMを配信。
「お給料ポンポンポーン!」の響きが今までの出前館のイメージとギャップがあり、賛否が分かれ大きな反響を呼びました。
「CM企画のお給料バトルをリアル配達員でもやります!」と配達件数に応じてボーナスを出すイベントが発表されますが、「急いで配達をさせて事故を誘発するのでは」と批判が相次ぎ、数時間後には急遽中止が告げられました。
またこの頃、3km以内の近距離配達が売りだった出前館業務委託配達員に6km〜8kmの配達が振られるようになりました。
さらに、「ウーバーイーツの商品を出前館の拠点に届けると出前館配達員やらない?と口説かれた」という報告も複数ありました。出前館が露骨にウーバー配達員を引き抜きにかかっていたようです。
4月 ウーバーイーツ 新料金 神奈川・沖縄に拡大
3月に福岡京都で先行して始まった配達報酬の新体系は、4月に神奈川・沖縄にも適用されました。
3月の失敗を活かしてか、4月の神奈川導入時には配達調整金額を高めに設定していたようで旧料金とそれほど変わらず大きな混乱はありませんでした。
menuが予定より少しだけ遅れて、4月に47都道府県全てに進出。
超人気アニメとの超大型コラボもスタートし、テレビCMもばんばん流れて一気に認知度を高めていきます。
ちょうどウーバーイーツが新料金でざわざわしていたタイミングだったため、相当数の配達員がmenuに流れました。
4月 フードネコサービス終了
2020年12月にサービスを開始したばかりのフードネコが、惜しまれながらサービス終了。
同じデリバリーヒーローグループのフードパンダが東京に進出するタイミングで、より合理的に展開するために経営統合を決めたようです。
フードネコはまだまだ未熟なサービスでありながらも独自のキャンペーンとその超高額配達報酬で注文者、配達員ともにファンがたくさんいたようで、人気絶頂の中でのサービス終了は非常に残念でした。
4月 フードパンダ 東京進出
地方都市ですでに20都市以上に展開していたフードパンダが、満を辞して東京に進出。
フードネコの配達員「ネコライダー」は「パンダライダー」に移行するよう案内がありました。
5月 ウーバーイーツ新料金体系 全国へ
前述したダイナミックプライシングでのウーバーイーツ新報酬システムが、全国一斉に導入されました。
導入当初は旧料金システムとそれほど変わらない報酬で大きな混乱はありませんでしたが、落ち着いてくると七月あたりから最低報酬の「300円」になることが多くなりました。
他サービスが配達報酬の値上げ合戦をしているのを横目に、ウーバーイーツはここから徐々に利益確保のフェーズに入っていきます。
このタイミングでまた相当数の配達員が他社サービスに流れ、少しずつ注文アプリでも「配達員がいないので注文できません」という状況が発生するようになりました。
menu CMコンテストに応募したことがきっかけでmenuの運営さんと繋がり、直接インタビューをさせていただきました。
ここからmenuは「運営側と配達員との直接対話」を重視していくようになります。
今までこのスタイルのプラットフォームはフードネコだけだったので先鋭的な取り組みでした。
5月 フードパンダ 第一回ライダーコネクト実施
フードネコと経営統合したフードパンダが初の試みとして配達員との直接対話イベント「ライダーコネクト」を開催。
フードパンダは様々な原因から配達員が離れていっていたので、不満をきちんと聞いて改善に移す場を持つことでそのイメージアップを図りました。
フードパンダは時を同じくして、この頃に進出ペースを加速。一気に10都市近くに進出しました。
6月 ウーバーイーツ 代表が書類送検
「外国籍配達員の不法就労助長の疑い」でウーバーイーツの代表と幹部が書類送検されました。
これにより他サービスも対応に追われ、外国籍配達員のアカウントが一旦全て停止になったり、日本人配達員含めて全員身分証を提出させ直したりという動きにつながっていきました。
6月 Doordash(ドアダッシュ)サービス開始
アメリカ最強ドアダッシュが、ついに日本でサービスを開始。
サービス開始都市については情報が錯綜しましたが、最初の進出都市は仙台でした。
仙台進出が被ったDiDiフードはこの影響を受けてかスタートタイミングを2ヶ月ずらしました。
ドアダッシュはこのあと8月に岡山でサービスがスタート。年内に10都市以上に拡大する予定です。
6月 ウーバーイーツ 徒歩配達開始
都心部で、配達方法に「徒歩」が選べるようになり、ついに車両がなくても配達可能になりました。
ウーバーウォーカーと呼ばれ、自転車配達よりも時間がかかる分報酬単価は高めになりました。
7月 Wolt(ウォルト)が本気を出す
テレビCMと大規模割引キャンペーン、さらに追加10都市以上に一気に進出と、急に勢いが出てきたのがWolt。
この頃から広告が増え、拡大路線に入りました。
7月 国税局、ウーバーイーツ配達員に納税調査
「国税局からウーバーイーツ側に2019年の配達員の報酬実績を提出するように指示があったので開示しますね」というメールがウーバーイーツ運営から突然届いて配達員がざわざわしました。
ギグワークの配達員は個人事業主扱いのため、個人で確定申告をしないといけません。
未申告配達員の調査が始まったのでしょうか。
menuの配達アプリがアップデートされ、配達リクエスト時に配達先がわかるようになりました。
これでほぼ全てのサービスが、受注時にドロップ先までわかる仕様となりました。
今後はこれがスタンダードになっていきます。
8月 出前館 ブースト倍率がピークに
出前館業務委託配達員の配達報酬にかけられるブースト倍率が、エリアや時間帯によって最大「2.0倍」となりました。
オリンピック需要や半額祭による注文数増加と、真夏の暑さによる配達員数減少を考えてのキャンペーンでした。
1配達の報酬額が距離にかかわらず最高で1430円というのは当時のウーバーイーツ配達報酬のおよそ3倍で、当時日本一の高額報酬額でした。
8月 出前館、セブンイレブンと提携
コンビニ各社とデリバリー各社の提携が進む中、最後までどこのデリバリープラットフォームとも提携していなかったコンビニ王者セブンイレブンが出前館と提携。
自社サービスの「セブンイレブンネットコンビニ」を全国に拡大し、その配達は出前館配達員に委託するようです。
2021年8月時点でのアプリユーザー数
※MAU:月間アプリ利用者数
9月 配達員も労災に加入できるように
「デリバリー配達員も労災の特別加入制度に加入できるよ」と日本フードデリバリーサービス協会から案内がありました。
今までになかった個人事業主としてのギグワーク配達員の労働環境整備については、今後も新しい仕組みがどんどん作られていきそうです。
9月 Uber Eats (ウーバーイーツ)全47都道府県に進出
9月28日にウーバーイーツが47全都道府県にエリア拡大。
日本進出からちょうど5年。
福井県・徳島県・島根県・鳥取県に進出し、日本のどの都道府県でもウーバーイーツが注文できるようになりました。
9月 出前館が本気の資金調達 800億
出前館が、第三者割当増資と海外向けの公募増資により800億円の資金調達。
LINEからもらったお金がなくなりそうになったので(笑)、打倒ウーバーのために資金力を強化してきました。
800億円の使い道
650億をCM・クーポンに
100億をシステム改修に
50億を配達員確保に
11月 出前館が再び本気を出す
出前館が2022年1月末までの3ヶ月間の大型キャンペーンを次々とスタートさせました。
- 3ヶ月間送料無料
- 3ヶ月間新人配達員報酬を130%にアップ
- ヒカキン、はじめしゃちょー大型コラボ・広告強化
首都圏に狙いを絞り、多額の広告費を使って注文者・配達員の囲い込みを始めます。
なんと一配達最大1640円に!
ちょうど11月からUber Eats (ウーバーイーツ)の配達員報酬が東京を中心に「ほぼ300円均一」になり話題になっていたタイミングだったので、配達員の中には出前館にも登録する人が多く出ました。
11月 DoordashがWoltを買収!
アメリカシェアナンバーワンのDoordashが、全世界23か国展開中のWoltを買収するとのこと。
この時点で日本ではDoordashが3都市、Woltが30都市近くに進出済み。
Woltの既進出エリアを手に入れて、一気にドアダッシュの存在感が増して来そうです。
DoordashのWolt買収記事はこちら。
12月 ウーバーイーツマーケットスタート
Uber Eats が自社倉庫を利用しての日用品即配サービス「ウーバーイーツマーケット」をスタート。
先行して日用品デリバリーを始めたクーパン、パンダマート、ウォルトマーケットに続いてウーバーイーツマーケットが始まりました。
各社軒並み料理以外の日用品デリバリーに力を入れ、日用品デリバリー戦争が激化していきます。
2021年11月時点でのアプリユーザー数
12月 Uber Eats 配達報酬改定
Uber Eats (ウーバーイーツ)が2021年3月以来の配達報酬改定を行いました。
一件あたりの報酬単価を上げて、その代わりクエストなどのインセンティブを下げて、トータル報酬は変わらないとウーバー側は説明。
11月から最低報酬金額の300円になることが非常に多くなった「スリーコインズ問題」は解決するのでしょうか。
12月 フードパンダ日本撤退を発表
親会社のデリバリーヒーローがfoodpanda日本部門の売却を発表。2022年1月末でのサービス終了を発表しました。
買収する企業については現時点で発表されていません。
foodpandaブランドはなくなりそうですが、買収元がサービスの一部を引き継いでいくのでしょうか?
フードパンダ買収の詳細記事はこちら。
2022年 ついに始まった再編・統合!激動の一年!
1月 XTABLE(クロステーブル)がサービス終了を発表
2021年2月18日より都心部で実証実験の形でスタートしていたクロステーブル。
ちょうど一年後の2022年2月18日をもってサービス終了することを発表しました。
物流のプロ会社がフードデリバリーに参戦し、生花や生肉・医薬品など様々なものをデリバリーする取り組みをしていましたが、2021年6月からは新規配達員募集の停止や割引クーポンの停止など、勢いがなくなっていました。
やはり注文数と配達員数のバランスをとって利益を出すのは相当難しい業界なのだと痛感しました。
2月 Uber Eats 営業時間拡大
ウーバーイーツが営業時間を拡大。
東京・大阪・名古屋などの大都市で7:00〜26:00まで注文できるようになりました。
2月 出前館ペースダウン ウーバーの逆襲
出前館の「送料無料」「半額ウィーク「報酬ブースト3倍」の怒涛の攻勢が1月末で終了。
出前館の注文数は激減し、多くの配達員が「鳴らない高単価より鳴るスリコ」を求めてUber Eats (ウーバーイーツ)に出戻りをしました。
またこのタイミングでウーバーの回数クエストの報酬額が少し上がり、動きに拍車をかけました。
帰省ラッシュはじまた pic.twitter.com/G7xCmbIwYd
— カイト🐱▶︎地球一周中 (@Kight_blog) February 18, 2022
menuが「サービスの維持が難しい」と判断された多くの地方都市エリアで3/22からサービスを停止すると発表しました。
青森・岩手・秋田・山形・福島・山梨・福井・三重・和歌山・島根・鳥取・愛媛・徳島・佐賀からは完全撤退。
他の都道府県内でも一部エリアでサービスを停止し、よく注文が入るエリアに絞って営業していくことを決定しました。
2月末からはmenu × ポケモンの大型コラボ「ポケモンデリバリー」が始まり、第3位グループの動きも激しくなってきました。
2022年1月時点でのアプリユーザー数
4月 DiDiフード サービス終了
DiDiフードが、2022年5月25日でサービスを終了すると発表。
経営母体である中国のDiDiが中国政府のアプリ規制を受けて1兆円の赤字を出したニュースが流れた二日後の撤退発表でした。
利益のでない外国(日本)のデリバリーサービスに投資をしている余裕が無くなったのでしょうか。
シェア4位であるDiDiの撤退は、今後のフードデリバリー業界に少なからず影響を与えそうです。
6月 Doordash サービス終了
Woltを買収したドアダッシュが、8月31日でサービスを終了すると発表。
日本でのサービスはすでに展開している都市の多いWoltに任せて、Doordashは日本からの撤退を決定しました。
撤退が続き、いよいよ佳境となってきたデリバリー戦国時代。
これで、日本フードデリバリーの4強が出そろったことになります。
「Uber Eats 」「出前館」「menu」「Wolt」
ベスト4に絞られた戦いは、今後どうなっていくのでしょうか?
7月 二強状態がより鮮明に
2022年5月時点でのアプリユーザー数
ヴァリューズより
5月までのシェアデータが発表されました。出前館とウーバーイーツが鎬を削っていることがよくわかります。
Woltも善戦しているはずなのですが、このデータには載っていませんでした。
8月 日用品即配サービスが乱立
CoupangやOniGOに加え、Amoやクラシルマートなど「日用品のクイックデリバリー」サービスが相次いで誕生。
フードデリバリーに続いて即配ネットスーパーアプリが戦国時代の様相を呈してきました。
9月 Uber Eats 、新サービス「ウーバーダイレクト」を試験導入
ウーバーが9月1日より、東京・神奈川の一部エリアで新サービスの「ウーバーダイレクト」の試験導入を行いました。
Uber Directとは、Uber Eats (ウーバーイーツ)の加盟店契約をすることなく、ウーバーイーツの配達員を必要な時だけ借りて自店舗の商品を配達してもらえるサービスです。
食品だけでなく、たとえば書類や小包・小さい家電や家具などを運んでもらうこともできます。
Webで小物を販売しているECサイトが当日即配の急ぎの配達だけウーバーダイレクトを利用したり、
チェーン店の飲食店が他店舗に足りない食材を送ったり、一般的な事務会社が書類を取引先に送ったり。
「なんでも運べるメッセンジャー」のような使い方が可能なのです。これは利用の幅が大きく広がりそうです。
いよいよウーバーイーツがフードデリバリーの枠を超えた配達サービスに拡大していくのでしょうか。
11月 Uber Eats (ウーバーイーツ)で他店舗ダブルピックがスタート
ウーバーで今まで同じ店でしか取り入れていなかったダブルピックを別の店舗でも導入。
これによって近くの別々の店の商品を一人の配達員が続けてピックアップし、別々の注文者に届けることができるようになりました。
一見効率的で良さそうですが、2件目の注文者に割り振られた人は到着までに時間がかかることが増えました。
また、別々の配達よりも他店舗ダブル配達にして一人に配達させた方がウーバーとしては支払う配達料が割安になるため、配達員としては実質賃下げされた形です。
配達員の中でははPPDD配達と言われ不満が高まりました。
11月 東京都労働委員会がウーバーイーツ配達員を「労働者」と認定
東京都労働委員会がギグワーカーを労働組合法上の労働者と認め、組合側からの団体交渉に応じるよう命令しました。
ギグワーカーを労働者と位置付ける法的判断は国内初です。
都労委事務局は「配達員は業務する時間帯や場所は自由で、依頼を拒否することもできるものの裁量の余地は極めて少なく、指揮監督下に置かれている」と説明。
今後、欧米の配達員のように最低時給保証や社会保険の適用などにまで話が発展していくのでしょうか?
12月 出前館配達員、赤帽子着用任意化
出前館配達員に義務付けられていた赤キャップの着用が任意化されました。
SNSの投稿や配達時のマナーなどがずっと厳しかった出前館。
少しずつ厳しすぎる部分を緩めて、働きやすいサービスへ転換していくのでしょうか。
2023年 バブルは終了?各サービスが収益確保フェーズへ
3月 ウーバーイーツがトリプルピックを開始
2022年11月の他店舗ダブルピックに引き続き、3月9日よりトリプルピックをスタートしました。
ウーバーは「より効率の良いサービスを目指して」と言っていますが、ダブルの2件目やトリプルの3件目は報酬を少なくして1件目のついでに配達員に運ばせることができるので、これは実質報酬の賃下げと言えます。
時をほぼ同じくして、首都圏や大都市圏の配達員紹介キャンペーンが停止に。
いよいよ経費を大きく削って利益化に舵を取り始めたようです。
3月 日用品クイックコマースが次々と撤退
クイックゲットがサービス停止、クラシルマートがサービス終了、さらにクーパンが日本から撤退しました。
乱立した日用品の即配サービス業界で、早くも淘汰の動きが出てきました。
日本人に日用品の即配サービスを根付かせるのに苦戦しているのが伝わってきます。
この時点ではOniGO(オニゴー)が頭一つ抜けて勢いがあります。このままこの業界を席巻できるのでしょうか?
4月 国産フードデリバリーサービスChompy(チョンピー)、サービス終了
2020年からサービスを行なっていた純国産フードデリバリーサービスChompyが5月15日でのサービス終了を発表。
東京のみでサービスを行なっていましたが、他サービスとの競争激化により脱落した形。
今後はフードデリバリーから撤退し、モバイルオーダーシステムへ事業を注力していくようです。
いよいよ完全に「Uber Eats 」「出前館」「menu」「Wolt」の四つ巴の状況となりました。
5月 ウーバーイーツ・出前館が報酬体系変更を発表
ウーバーイーツは5月29日、出前館は8月1日にそれぞれ配達員への報酬体系システムを変更すると発表。
具体的に上がるか下がるかは曖昧な形で書かれたメールでしたが、長期的な視点で見ると少しずつ報酬が下げられていくのは明白です。
フードデリバリー業界のバブル期は終わりを告げ、経費をどんどん削ぎ落として収益化を図るフェーズが色濃くなっていきました。
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【2023年8月改訂】出前館配達員は稼げなくなる?最新報酬改訂を解説
続きを見る
5月 4社の最新シェアグラフ
日本経済新聞にて、2023年3月時点の最新シェアグラフが公開されました。
ウーバーイーツ・出前館共に2022年3月が利用者数のピークで、その後は需要が落ちていることがわかります。
menu・Woltの3番手グループとの差は依然として4倍以上。
Woltがこの状況下でも伸び続けているのが興味深いですね。
出前館とmenuの配達報酬が、単純な距離計算ではなく需給バランスによって複雑に変化するダイナミックプライシング形式に変更になりました。
ウーバーイーツ同様に、結果的にじわじわ下げられていくのでしょうか?
最後にまとめ
日本フードデリバリー業界の歴史、いかがでしたか?
今、私たちはまさにこの激動の歴史の中に生きています。
今後どうなっていくのか、しっかり注視していきましょう!
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