2021年3月1日に急遽行われたUber Eats 配達報酬の減額。
運営が詳細を告知しない新料金(新報酬)を、私が分析してまとめた記事がいまだかつてない反響を呼びました!
-
-
【Uber Eats (ウーバーイーツ)新料金】ついに東京含む全国導入へ!!報酬引き下げの解析に挑む!
記事を読んだ方から様々な意見をいただきました。
「Uber Eats (ウーバーイーツ)はもう終わりだ」
「きっとこれは一時的なテストだ」
「300円では誰も稼働するわけがない」
「スリーコインズ。ウーバーおわた」
私は、今回のUber Eats (ウーバーイーツ)の報酬改定にはもっと大きな意味があると思っています。
誤解を恐れずに言えば、私個人としては配達報酬300円は適正価格だと思っています。
ついにその時期がきたかと感じているところです。
今回の記事は、私が二年前からずっとフードデリバリー業界をみてきて感じていることをまとめて、今後の業界全体について推察します。
主観的な内容が多くなるのでご気分を害される方がいるかもしれませんが、一意見として捉えていただければ幸いです。
※ 本記事は、2021年3月時点の記事です。
-
-
【2021年12月報酬給料改定】Uber Eats (ウーバーイーツ)スリコが減って収入は増える?
続きを見る
配達料金300円は適正価格??
労働負荷と報酬の関係
報酬や給料の額は、「その仕事をやりたい人がどれくらいいるか」と「その仕事をやるのにハードルがどれくらい高いか」の二点で決まります。
例えばパイロットや医者はやりたい人は多いですが、仕事をするために必要な勉強や資格などの障壁が多いため高給です。
例えば過酷な肉体労働は仕事をするためのハードルは低いですが、やりたい人が少ないため比較的高給になります。
Uber Eats (ウーバーイーツ)をはじめとするフードデリバリー配達パートナー(配達員)は、「やりたい人が多く」かつ「始めるためのハードルが低い」ため、本来であれば安い報酬になるはずなのです。
誤解しないでいただきたいのは、私は配達パートナーの仕事を馬鹿にしているわけではありません。
効率よく稼ぐためにはテクニックが必要なことも認識しています。事故のリスクがつきまとうこともわかっています。
ですがそれでも、配達の労働負荷や人気度に対して、今の報酬額は高すぎるのではないかと考えています。
毎日休みなしで働けば月収50万、70万と稼ぐことも可能な今の状況は「デリバリーバブル」のおかげであり、今後ずっと続くものではないと思うのです。
他の業界の配達員との比較
私はヤマトや佐川の配達員の経験はありませんが、エコ配フレックスというサービスで配達員の経験があります。
企業に文房具などのオフィス用品を届ける業務でした。
コピー用紙や飲料水など何十キロもある商品を届けて、毎日筋肉痛になってヘトヘトでした。
時給は2000円程度稼ぐことができましたが、お弁当1、2個を運ぶUberEats配達員の労働負荷の小ささに気付かされた経験でした。
ヤマトや佐川などの運送業の方や、自動販売機の補充スタッフの方、コンビニへ商品を搬入するトラックドライバーの方も、きっと毎日毎日フードデリバリーとは比べものにならないほど大きくて重いものを運んでいるのではないでしょうか。
一方でフードデリバリー配達パートナー(配達員)は小さくて軽いものを運びつつ、現状ではうまくサービスを選んで稼働すれば時給3000円を超えたり、月収50万円稼げたりします。
しかも「いつでも自分の自由に働ける」という特典付きです。
やはりこの状況は、「デリバリーバブル」による少し異常な状態であると言わざるを得ません。
ビジネスモデルとして持続可能な報酬
私が二年前に初めてUber Eats の配達を行ったとき、ステーキ弁当一つを1km先のマンションに届けて600円ほどの報酬をもらいました。
私がその時まず思ったことは「え?こんなに簡単に稼げていいの?」でした。(当時は今より高い倍率ブーストがかかっていました)
これはビジネスモデルとして成り立っているのか?という疑問が沸きました。
注文者が支払った金額は1000円ほど。そのうち600円が配達パートナーに入る。
加盟店側は1000円の売上のうち3割ほどをUber Eats 運営に渡すので利益はあまりなし。
Uber Eats 運営は加盟店から得たサービス料350円に250円を足して配達パートナーに渡すので赤字です。運営にはもちろんその他に広告費や人件費や設備費など色々かかるでしょうから大赤字。
つまり儲かっているのは配達パートナーだけ。
果たしてこれでやっていけるのかと不思議に感じていました。
Uber Eatsはその後数回の報酬改定を経て、少しずつ少しずつ配達パートナーの報酬額を下げて行きました。
なるほど、サービス開始時は高い報酬で配達パートナーを集めて、集まってきた段階で報酬額を適正値まで下げていくのか。
そう納得していた矢先、
2020年にフードデリバリー戦国時代が幕を明けました。
menu、Chompy、DiDiFood、Wolt、foodpanda、出前館業務委託、そしてFOODNEKO。
数々のデリバリーサービスがUber Eats より高い報酬を打ち出し、報酬の価格競争が始まったのです。
2021年にその戦いは過熱し、出前館は1配達1001円均一、FOODNEKOは1配達1200円均一というレベルまで配達員報酬は引き上げられて行きました。
どのサービスも狙っているのはデリバリー業界全体の覇権を握ること。
サービスが淘汰された後に最大手になったサービスには、この市場全体を牛耳ることができ、そのプラットフォームを使って様々な施策を行い利益を上げることができる権利が与えられるからです。これは出前館の経営計画などを見るとよくわかります。
今は、フードデリバリー各社が札束で殴り合っている状態なのです。
これは普通の状態ではありません。
このままサービスを続けることはどの会社も不可能です。
誰かの息が切れて倒れるまで、お金を使って殴り続ける。
早く誰か倒れろ、早く息切れしてくれとお互いに思いながら我慢比べをしている時期なのだと思います。
そこに飛び込んできたのが、今回のニュースでした。
Uber Eats の新配達報酬、300円均一
2021年3月1日。Uber Eats 福岡、京都にて「基本配達料300円」の新報酬体系が詳細な事前告知なく始められました。
-
-
【Uber Eats (ウーバーイーツ)新料金】ついに東京含む全国導入へ!!報酬引き下げの解析に挑む!
旧料金に比べて約3割減。
特に専業の配達パートナー(配達員)をしていた方には死活問題で、大きな反響を呼びました。
今日(3/4)、新たに回数クエストの報酬金額が判明しました。回数クエストボーナスの料金は従来より高くなっていました。
ボーナスやインセンティブはいくらでもあとで下げることができます。
基本料金というのは、運営が「できればこれくらいの報酬で頑張って欲しい」という金額であり、インセンティブはあくまでおまけです。
状況が落ち着いてきたら、少しずつ少しずつ、またボーナス金額が下げられていくでしょう。
配達料増額競争から、一番配達パートナー(配達員)や注文数に余裕のあるUber Eats が一抜けしたのではないでしょうか。
※この後7月に入ったあたりから最低報酬額の300円に調整されることが増えてきました
つまり私が言いたいのは
札束殴り合いのシェア争いのフェーズから、利益確保・黒字化に向けてのフェーズに移り始めたのではないかということです。
もっとはっきり言えば
今後フードデリバリー業界全体がこの段階に入って行き、配達料は少しずつ引き下げられていくのではないかということです。
私たちにとっては嬉しくないニュースです。
ですが今の配達報酬で会社経営が成り立つわけがないので、遅かれ早かれそういう状況になっていくということは覚悟しておくべきです。
今は稼げても、1年後、5年後、10年後に同じ状況で稼げるとは思えません。
そのことを、私たちは認識しておくべきだと思います。
アメリカの最低報酬は1ドル
ちなみにアメリカのUber Eats の最低報酬は1ドルのようです!
(チップが当たり前の文化なので日本とは状況が違うのかもしれません)
その他の動き
本日(2021年3月4日)、大きなニュースがその他に2つありました。
- Uber Eats 年内に47都道府県進出
- 一般社団法人「日本フードデリバリーサービス協会」設立
Uber Eats は全都道府県進出の前に今回の料金改定を行ってきました。
これは、今後この300円均一の新報酬が全国エリアに広がっていくということなのでしょうか?
※この後5月より、全国共通の新料金システムがスタートしました
また、「日本フードデリバリーサービス協会」の発足も非常に大きなニュースです。
日本の主要なデリバリー会社がほぼ全て加盟しています。
今まで競合していた各社が連動して、いったいどんな動きが起こるのでしょうか?
最後に
今回のUber Eats の配達報酬改定が、デリバリー業界全体にどのような影響を与えるのか。
他社が追随してくる可能性もあります。
デリバリー協会全体で配達報酬金額を合わせてくるのではないか、とも噂されています。
いずれにせよ、この業界は新しい段階に入ったと思います。
私たち配達パートナーは複数の会社に登録し選択肢を増やしておくとともに、今の状況がずっと続くわけではないことを認識して、今できることをしっかり準備しておくべきだと思います。
長い独り言になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今後も最新情報を常に発信していきます。
よろしければこのブログのブックマーク、私のTwitterのフォロー、よろしくお願いします!
👇タップで応援お願いします🙇♂️