フードデリバリーサービスfoodpanda(フードパンダ)が日本から撤退しました。
サービス終了日は2022年1月31日。
日本進出からわずか1年半で撤退することとなりました。
いったいフードパンダはどういう状況だったのでしょうか?そして今後どうなっていくのでしょうか?
目次
フードパンダはどういう状況だった?
新キャラクターパウパウくん!
フードパンダは、デリバリーヒーローグループのフードデリバリー会社。
日本では2020年9月にサービスを開始し、2021年12月時点では約30都市に展開していました。
2021年9月時点までのアプリユーザー数
2021年9月時点で、Uber Eats ・出前館・menuに次ぐ日本第4位の規模で展開。
2021年4月に東京で展開中だったフードネコを買収。
その後、フードパンダに加盟しなくても配達員のみ好きな時に借りられるパンダゴーや、日用品の即時配達サービスパンダマートなどを次々に展開。
さらには11月に日本向けのマスコットキャラクターのパウパウくんを発表し、かわいいキャラクターを使ったグッズ配布戦略で広告を拡大していました。
勢いに乗っていたフードパンダが売却されるなど、誰も考えもしていませんでした。
そこに入ってきたのが、今回のニュースでした。
フードパンダが日本部門を売却!
海外サイトCNAの記事を引用して和訳します。
ベルリン:ドイツのフードデリバリーグループDelivery Heroは12月22日(水)、競争激化と労働力不足を理由に、ドイツにおけるFoodpanda事業を縮小し、子会社の日本部門を売却すると発表した。
デリバリーヒーローは、フードパンダはケルン、デュッセルドルフ、フランクフルト、ハンブルグ、ミュンヘン、シュトゥットガルトから撤退すると発表したが、ケルン、デュッセルドルフ、シュトゥットガルトではドイツでの幅広い拡大計画の一環として1ヶ月前にブランドを導入したばかりである。
「これらの市場に参入したときとはまったく異なる現実に直面し、より大きな可能性を秘めた他の成長機会を追求する必要があることを痛感しています」と、CEOのニクラス・オーストベルクは声明で述べています。
Uber Eats、Just Eat Takeaway、Deliverooなどの企業が参加する食事宅配市場は、パンデミック関連のブームが去り始め、各社が事業の調整を図る中で、統合が進むと予想されます。
同時に、欧州委員会は12月上旬、オンラインデリバリー企業のライダーやドライバーに従業員手当を支給する規則案を発表したが、一部の企業はこの動きが雇用の喪失につながると主張している。
デリバリー・ヒーローの株価は、日本時間午前9時30分(シンガポール時間午後5時30分)までに6.4%上昇した。
50カ国以上で事業を展開するDelivery Heroは、6月にベルリンでFoodpandaブランドのソフトローンチを行ったばかりで、8月には他の都市に展開した。
その復活により、2018年末にオーストベルクがデリバリー・ヒーローのドイツ事業をTakeaway.com(現在はJust Eat Takeawayとして知られるオランダの競合)に11億米ドルで売却し、休戦状態にあったのが突然終わりを告げたのです。
同グループはまた、2022年の第1四半期に、2020年9月に参入した日本市場から撤退し、他の市場やニッチ分野、特にクイックコマースの分野での成長に注力すると水曜日に発表している。
現在のところ、この記事以上の情報はありません。
いったい、売却先はどこなのか?
フードパンダブランドは残るのか?
現段階での推察をしていきます。
※2月追記 買収は行われなかったようで、フードパンダブランドは残りませんでした
売却先・買収元はDoordash(ドアダッシュ)なのか?
先日、2021年11月にアメリカトップシェアのデリバリーサービス、DoorDashがWoltを買収するとのニュースが入ってきたばかりでした。
-
【ドアダッシュも日本撤退】Woltを買収でサービス終了へ
続きを見る
大きく括ればWoltとfoodpandaは同じ「デリバリーヒーローグループ」。
Woltに次いでfoodpandaも買収するのは理にかなっているようにも見えます。
しかし、いくつか問題点があるようにも思えるのです。
- 買収資金はあるのか?
- Woltとfoodpandaが国内で競合してしまわないか?
買収資金はあるのか?
ドアダッシュのWolt買収は、9000億円という超巨額でした。
(全額株式交換で行ったので、新規で現金を準備したわけではないようです。)
Wolt買収だけでもビッグニュースなのに、同じ会社が二つ目のサービスもほぼ同時期に買収することなどあるのでしょうか?
資金面でも手続き面でも煩雑になりすぎる気もします。
Woltとfoodpandaが競合してしまわないか?
ドアダッシュに買収されるWoltが今後どう日本で展開していくかは詳細はわかりませんが、Woltブランドは残してサービスを継続することは発表されています。
となるとフードパンダも買収した場合、foodpandaブランドはなくしてWoltブランドに切り替えてサービスを行っていくことになりそうです。
しかしWoltとfoodpandaは既進出エリアがかぶっている部分が多いため、わざわざ買収するメリットは少ないように思います。
2つのサービスのエリアを比較
日本のサービスはWoltに任せて、ドアダッシュは日本から撤退するとの情報も入ってきています。
これは、ドアダッシュとWoltが日本国内で競合してしまわないためでしょう。
ドアダッシュはWoltで日本シェアを獲得すると思われるため、foodpandaを新たに獲得してもメリットは少ない、というのが私の考えです。
買収元はジャストイートではないか?
では、いったいどの企業がフードパンダを買収するのでしょう?
私は、「ジャストイートテイクアウェイ」ではないかと考えています。
Just Eat Takeaway(ジャストイートテイクアウェイ)ってどんな会社?
世界三大デリバリーサービスを知っていますか?
規模で言うと世界三大デリバリーサービスは中国の「美団(Meituan)」
ヨーロッパからアメリカまで展開する「JustEat Takeaway(ジャストイートテイクアウェイ)」
ヨーロッパからアジアまで広く展開する「Delivery Hero(デリバリーヒーロー)」があります。
ジャストイートは2000年にオランダで「Thuisbezorgd.nl」と言う名称でスタートしたデリバリー会社。
2011年に社名を「Takeaway.com」と改称。ドイツ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、イスラエルの同業他社を次々に買収し急拡大。
2016年にはデリバリーヒーローのドイツ事業を買収。
2020年にはイギリスを拠点に南北アメリカ・オセアニアにもグループ企業をもつ同業の「JustEat(ジャストイート)」を買収し、社名を「JusteatTakeaway.com」に変更。
さらに同年、アメリカ第三位のデリバリーサービス「GrubHub(グラブハブ)」の買収を発表。
グラブハブの買収が終われば、中国の美団に次ぐ世界第二位の規模となります。
今、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで急拡大をしているデリバリーサービスなのです。
私は2021年3月に、ジャストイートについて調べて以下の記事を書きました。
-
【Just Eat】欧州最強ジャストイートの日本上陸はあるのか?その配達員の特徴とは?
続きを見る
その中で私が書いた文をそのまま載せます。
ジャストイートの日本上陸については、現在のところ全くの未定です。
ここからは完全に私個人の予想なのですが、ジャストイートがアメリカドアダッシュのようにそのまま上陸してくる可能性は低いと思います。
ただ、他企業の買収を通して進出してくる可能性は十分あると思っています。
前述したように、ジャストイートは同業他社の買収を次々と成功させて大きくなってきた会社です。
アメリカ進出にはグラブハブを買収して乗り込む予定です。今後も新規エリア進出の際はその地域で既にサービスを行っている会社を買収して拡大していく方針なのではないでしょうか?
しかも過去にはデリバリーヒーローのドイツ事業を買収した経歴もあります。
日本でフードパンダが一生懸命エリアを拡大したあと、丸ごとジャストイートが買収するようなことが起こる可能性も十分あると言うことでしょう。
ジャストイートは2016年にデリバリーヒーローのドイツ部門を買収した経歴があるため、デリバリーヒーローの日本部門売却を考えた際に最初に候補に上がるのではないかと考えています。
3月に私が考えたことが、一年後になって実現するのかもしれません。
ジャストイートがフードパンダを買収したらどうなる?
ジャストイートがフードパンダを買収した場合は以下の二つの展開が考えられます。
ポイント
- フードパンダブランドを残し、ジャストイートは経営面のみ管理する
- フードパンダブランドを無くして、ジャストイートブランドで展開する
後者の「ジャストイートブランドで展開」した場合、配達員の働き方は大きく変わりそうです。
なぜなら、ジャストイートはヨーロッパにおいて配達員を「従業員」のように扱い、電動自転車貸し出しや時給保証、有給や年金を付与しているサービスだからです。
ギグワーク配達員は自由に働ける反面、保証が少なく安心して働きにくい部分もありました。
ジャストイートの進出で、配達員の労働環境が大きく変わっていくのかもしれません。
フードパンダ買収のその先は?
まだまだ情報が少なく予想しかできませんが、現時点での私の考えをまとめました。
コロナウイルス特需の追い風を受けていたフードデリバリー業界は、今後状況が厳しくなって再編の動きが加速していくでしょう。
今後、日本のフードデリバリーはどうなっていくのか。
目を離さず、一緒に見守りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今までの歴史はこちら!
日本フードデリバリーの歴史をまとめた記事はこちらです!
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【フードデリバリー戦国時代】激戦の歴史を時系列でまとめてみた!
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