この記事でわかること
- 匂い・香りのデジタル化ってなに？
- 匂い・香りのダウンロードはどういう仕組み？
- 匂い・香りのNFT化のその先は？
目次
匂い・香りのデジタル化ってなに？
従来匂いや香りは数値化するのが困難で、自分の好きな匂いを相手に伝えることが難しいものでした。
しかし音楽がレコードやCDなどのアナログからmp3にデジタル化したように、匂いや香りのデジタル化に取り組んでいるプロジェクトがあります。
アロマオイルやルームフレグランス・香水などのアナログなものから、香りはスマホでデータダウンロードをしてデジタルで楽しむ時代へ。
これが実現すれば、ゆくゆくはテレビ・映画・ゲーム・広告などが全て香り付きになる未来が見えてきます。
匂い・香りのダウンロードはどういう仕組み？
では、一体どのようなシステムで香りをダウンロードするのでしょうか？スマホから匂いがするのでしょうか？
Horizonが香りのデータが記載されたデータカード(NFT)を作成・販売
株式会社Horizonは「Smell Mafia」という匂い・香りのプラットフォームを構築し、Smell Mafia内でさまざまな香りのデータが記載されたNFT(データカード)を作成・販売します。
NFTとはWeb3.0のブロックチェーン技術を用いたデジタル資産所有権の確認システム。
今までこのNFT技術はイラストなどに用いられることが多かったのですが、HorizonはこのNFTを香りの所有権や著作権の管理に使っています。
音楽はJASRACが著作権管理をしているように、匂いはSmell Mafiaが著作権を管理するということ。
1枚の香りレシピカード(NFT)にはその作成に関わる調香師や香料業者・タレントの肖像権などさまざまな著作権情報が記載されており、販売時や転売時に適正な報酬分配が自動で行われるシステムをWeb3.0技術を用いて管理しているのです。
香りのデータカードは「ラベンダー」「バニラ」といった一般的なものから、有名人のイメージフレグランスなど多様なものが販売されます。
香りのデータカードにはそれぞれ「発行上限枚数」と「カード1枚での香り再生回数」が決まっており、長い期間持っていればいるほど希少価値が高まるデジタル資産としての側面も持っています。
ユーザーがデータカードを購入・ダウンロード
ユーザーはSmell Mafiaプラットフォーム上で好みの香りデータカード(NFT)を購入。
購入したデータカードはスマホ上で確認でき、いつでも香りを再生することができるようになります。
スマホで香りデータカードの情報を専用ディフューザーに転送
スマホ上で購入した香りNFTの再生操作を行うと、実際の香りはHorizonの専用ディフューザーから発せられます。
この専用ディフューザーには香りのベースとなる6種類のカートリッジが入っており、転送された香りデータに合わせて匂いを調合。
数千種類の香りを作成することができます。
匂い・香りのNFT化のその先は？
夢のような最新技術の「香りのダウンロード」システムは現在どこまで進んでいて、今後どのように拡大していくのでしょうか？
既に販売やタイアップが始まっている
Horizonの香りNFTプロジェクトは2022年から本格的に展開され、まずはインフルエンサーの「明日花キララさん」のイメージフレグランスデータカードの販売が行われました。
今後も多くの有名人・インフルエンサーとのタイアップが決まっており、まずは有名人のグッズの一つとしてコアなファンにイメージフレグランスを売り込むところからスタートしました。
また、2023年夏に公開予定の黒木瞳さん主演映画「魔女の香水」ともタイアップ。
映画の前売り特典として映画内に登場する香りをNFTとして販売します。
ゆくゆくはテレビCM・パソコン・ゲーム・メタバースへ展開
まずはエンタメ業界に絞って展開を始めたHorizonの香りプロジェクトですが、今後は数年かけて一般マス層にも展開を拡大していく予定です。
一般マス層において、アロマオイルを垂らして使う従来の「アナログなアロマディフューザー」からスマホで香りデータをダウンロード・転送して使う「デジタルディフューザー」に切り替わっていくと非常に大きく世界が変わっていきそうです。
たとえばこんなことが起こる
- グルメ番組を見ていたら番組内で紹介されている料理の匂いがしてくる
- 柔軟剤のCMを見たらいい香りがしてくる
- ゾンビゲームをしたらゾンビの匂いがしてくる
想像しただけでも楽しいですよね。
また、今後数年で世界中に広まると言われている仮想空間「メタバース」においても、匂いや香りの要素は参入余地が大きそうです。
このように香りと適合するビジネスの種類は山ほどあり、先駆者のHorizonがシステムを確立しトップシェアを取れればとてつもなく大きなビジネスとなりうる可能性があります。
今後の課題は？
テレビやゲーム・広告から香りがする新時代は夢のようですが、いくつか課題もあります。
Horizonの香りダウンロードシステムはスマホだけでは成り立たず、香りを発生させる専用のディフューザーが必ず必要になります。
ディフューザーの価格はかなり高額なので、ユーザーがシステムを利用するための初期費用が高くハードルが上がってしまいます。
ある程度このサービスが広まるまでは無料や格安でディフューザーを配布していかなければならず、運営側としては初期投資費用が嵩みそうです。
また、匂い・香りのデジタル化については大阪のベンチャー企業「香味醗酵」や東京のベンチャー企業「レボーン」など多数の企業が取り組んでいます。
このような企業がHorizonを追随して同様のシステム構築に参入してくる可能性もあります。
複数の企業が参入してくると各社のディフューザーのシェア争いになるでしょうから、Horizonがそこでトップシェアを取ることができるか注目されます。
Horizonの香りのNFTシステム まとめ
匂い・香り業界に革命を起こす、Horizonの香りNFTプロジェクトについてまとめました。
まだまだ現時点では夢物語のようですが、果たして実現・普及が進んで私たちの生活を大きく変えることになるでしょうか？
魅力的でよい香りに包まれる、素敵な未来を期待しましょう！
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